2018/01/08

ワイアレスモバイルマウス logicool MX ANYWHERE 2S レビュー

2017年でもトップクラスにQoL貢献度が高かった買い物です。

MX Master 2の好評をよく聞くlogicoolのマウスですが、
そのモバイル版的な立ち位置の「MX ANYWHERE 2S」を購入して数ヶ月使いました。

購入時、一瞬Masterに傾きかけました。あの手を置いたときのしっくりくる感じはとても魅力的。ただ、持ち運びがメインになることが想定され、やっぱり大きいかなというところでこちらを選択しました。

レビューとしては「3DCG制作用途としてどうか」という点を意識した箇所があります。
もちろん個人の好みという部分も多分に含まれますが、似たような使い方が想定される方の参考になれば幸いです。


## 自社製レシーバー+Bluetooth接続

3DCGツールのオペレーションを考えるとゲーミングマウスの方がいいのでは?とも検討しましたが、ゲーミングだと有線が多いんですね。今回のマウス探しでは無線であることも選択理由の一つでした。

ANYWHERE 2Sは、logicool社謹製の無線接続(Pico Unifying)とBluetoothのどちらでも使えるのが嬉しいです(というか意外と無線レシーバーを挿す必要がある製品が多くて驚きました。調べてみると、歴史上、Bluetooth接続は精度的に好ましくない過去があったようですね)。
ポートが少ないラップトップにとっての一等地をマウスに占められるというのは、なかなか難しいところですので、Bluetooth接続がありがたいです。

## アプリによるキーアサイン

logicool Options
macOSだと環境設定最下段に追加されます
Logicool Options というアプリを使ってカスタマイズすることで、機能をフルに使えるとのことでした。

多ボタンマウスとしては、ボタン数は7かと思います。(自分では見つけられていなくて公称と違う可能性はあります)

  • メインの左クリック・右クリック
  • ホイールの左右押し込み
  • ホイール手前のボタン
  • 親指の2ボタン

起動すると環境設定側はこうなります
これらの挙動を、アプリケーションごとに指定できます。
ちなみにホイールの挙動はカスタマイズできません

また、マウスの裏にペアリングしているマシンを切り替えるボタンがありますが、これもカスタマイズ対象外です(ボタンというかスイッチ。3台まで切り替えられます)。

## トラッキング精度


Darkfield高精度トラッキング、というのが自慢の製品なようです。
……BlueLEDや各種レーザートラッキングの他製品と比べてどう、というほど当方マウスソムリエ力を蓄積しておりませんので、すごい/すごくない等は言えないのが申し訳ないところです。

とはいえ、さっそくカフェのつるつるのテーブルや布(とりあえず自分の脚)などで使ってみましたがカーソルが飛んだりすることは特になく、安心してポインティングできました。そもそもズボンの上で安心してポイントできるというのが個人的には新鮮で、よくわからないなりにちょっとこれはすごいのではとやんわり感動しました。日々トラッキング精度向上に努めておられるマウス開発業界の方々にしてみれば「なめんなw」というところなのかもしれませんわかりません(笑)。

メッシュのバーテクス移動などのちまちました作業にも、いまのところいい感じで対応してくれています。

## ホイールと中ボタン

ここが難しいところです。

というのも、3DCGツールのほとんどがビュー操作などで3ボタンマウスが活躍する仕様になっています。
そのためホイールは中ボタンとして使われることが多いのです(この点は、このブログにたどり着かれた方であればほぼ間違いなく共有できていることかと思います)

翻って、このマウスのホイールです(→)。
あるいはほかのlogicool製マウスもそうかもしれません。

ホイール押し込みが中ボタンとして機能しません!

そのかわりホイールの手前にボタンがあります。ただ、これは人差し指をけっこう曲げるか手のひらを若干滑らせるか浮かせるか、なんらかの通常ではないアクション込みで押すような、「使用頻度が中程度の便利機能」を置くためのボタンだと感じます。少なくとも、3DCGツールのビュー操作のような「左・中・右ボタンを同等程度に使用する」オペレーションには向きません。
せめてこの中ボタンがもうちょっとホイールの近くでもうちょっと大きければ…。
まあ、そういうひとは3ボタンマウス探すなり、3Dconnexion社のcadMouse買いましょうねという話なのかもしれません。もし店頭にあったらそっちを買っていたかもしれません(笑

***

でもこのホイールは押せるようになっています。
どういう機能を持っているかというと、回した時にカリカリ手応えのあるモードと、するすると回ってくれるモードとの、いわゆる機構的な切り替えができるスイッチになっています。

ここは完全に個人の好みですが、
クリックというか段階のあるようなホイールが苦手で、一回押した状態のなめらかモードが感触としては好みです。が、こちらはこちらでトゥルトゥルすぎるというか(そういう意図の切り替えだとは分かりつつも)。また、スクロールを停めたとき反動でちょっと戻る(時にはかなり勢いよく戻る)ことがあって、不慣れで使い方が悪いのか故障した個体なのか、なんとも言えない気持ちになりました。多分で慣性スクロールさせようと思ったらこういう挙動は不可避なのではと想像します。
慣れたら大丈夫そうな感じはしていますが、それまでは停めるときにちょっと慎重になるのかなと。肩が凝りそうです。

するする回転モードのときは、勢いよく回せば慣性で回り続けてくれます。慣れれば快適かもしれませんが、いまのところは、トラックパッドでのパンほどスムーズなわけでもなく特にうれしい局面を見いだせていません。

## 横スクロール


左右矢印が見えます ※さっきと同じ画像
MX Masterは親指のところにもホイールがあり、そこで左右スクロールが行えるようになっていますが、MX ANYWHEREにはそのホイールはなく、代わりにホイールが横へ押し込めるようになっています。この仕組み自体は他社製品でも見かけます。

各アプリケーションでのキーアサインについてはそのうち触れたいところですが、3DCGツールではこのホイールの左右への押し込みに中ボタンを割り当てて使っています(ホイール手前の中ボタンに中ボタンクリックを割り当てるより指の動きが小幅で済みます)。

この場合非常に悩ましいのですが、ホイールをするする回転モードにしていると、横に押し込んだときちょっとスクロールが反応してしまうことがあります。
logicool OptionsではホイールによるスクロールをOFFにできないので、反応してしまった場合、3DCGツール側では予期せず視点が寄り/引きしてしまう場合があります。これはなかなかしんどいので、3DCGツール側の設定でホイールのスクロールによる寄り引きをOFFることになりそうです。


あとアプリつながりでもうひとつ、
windowsとmacOSでアサインできるできないが微妙に違う……?みたいなところは、ちょっと苦しいですね。また、macOSではキーボードをUS配列と認識するようで、キーストロークを指定する際には、「[」「]」などはキートップとは違うキーを押して指定することになります。
あとデフォルトの戻る進むがsafariでは機能しません。
など、macOS対応は正直ゆるいなと感じます。改善に期待したいですね。

## USB充電

先端下部に充電ポート
電池は本体内蔵で、マウスの底部先端側(本記事トップの写真で左下)にマイクロUSBポートがあってPCに接続して充電します。スマホをPCとつないで充電するのと同じ感じです。
機能等でより優れて見える他社製品も多い中、最終的にこれを選択した理由のひとつに、このUSB充電があります。

マウスを持ち運ぶついでに、そのための充電池も荷物として増えたらやだなと。。。

価格差の事を考えると、他社製品+充電池を十分に買い足してもなお、こちらの方がひとまわり以上高額なのですが、
それでも荷物が増える事、また忘れた場合や無くした場合の心情を考えて、
より行動がシンプルになる方を選択しました。

一瞬、充電池をUSBで充電できる充電器もあるな?と頭をよぎったのですが、
意外と選択肢が少なく、かつ4本充電するものがほとんどで意外と大きく、
さらに「電池+充電器(+マウス本体)」という構成もやだな、ということで却下となりました。
充電池の充電を日課かできれば問題ないのかもしれませんが(^^;

## 充電の保ち


まだ充電が切れるほど使っていませんが、一度充電して2ヶ月ほど使用してもまだメモリが減らない、くらいの持ち具合です。今後どれくらい使ったら充電不足アラート的なものが出てくるか見ものであります。

ウィンドウ右下に充電残量マーク
logicool optionを開くと、充電が残りどれくらいか確認できます(→)。

ただ、充電中は通電していることを示すアイコンに変わりますので、いまどれくらい充電したかはわからないのが玉に瑕です(見落としかもしれませんが)。

# まとめ


とても好ましく使えています。ホイールのカリカリの好みや、3DCGツールを使う上での中ボタンの件を除けば、という条件付きではありますが、これも慣れることでしょう。
macOS版ユーティリティのとこだけは順次良くなるとうれしい気はします。

末長くお世話になりたいところです。

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