2018/01/03

つれづれ2017B

B面です


なんといってもあれですよ
突然の「なにわオーケストラルウィンズ」最終回。絶対急に決まったでしょ!去年開催時は考えてなかったでしょ!(動きはあったのかもしれませんが)みたいな。
そんなわけで最終回、行ってきました。シンフォニーホールでの昼夜2公演。相変わらずキレッキレの音、半音階狂詩曲でのテクニックの応酬(ブレーン社から出版されましたが……なにわにしかできないのでは……いや、いっぱい演奏されてほしいですね!!!)。スパーク3番、ジェイガー1番という交響曲連発。丸谷先生が最後まで取っておいたというアンコール、カーペンターズフォーエバー。最高。しかし白眉はプラハで、これはもう鬼気迫るという形容がふさわしい仕上がり。だからこそ誰もが最後のシンバルが消え入る瞬間まで堪能したかったと思うのですが、それはCDでしか聞けない代物になってしまいました。現実は厳しい……。あれが感極まった誰かの感情表現なのだとすればそれもそうなのですが、別にあの場はあなたが表現をする場ではなかったのでは……?と一生考え続ける羽目になりました。多分あの場にいた全員が。
それはそれ、
2016年末のフサの死去を受けてかプラハ管弦楽版の鑑賞機会にも恵まれました。いや、プログラムが組まれたのはそれよりも以前なのかな?ともあれ実に複雑な思いが交錯する中の演奏会でした。N響と、指揮は管弦楽版日本初演者の下野氏。もちろん素晴らしかったのですが、やはり原曲版の方がこの作品にふさわしい鳴り方をするように感じました。コンバートの難しさよ。どちらにしてもこの作品は大量の打楽器群の視覚的圧力も見ものですね。
というのが大きめなトピックでしたが、2017年の演奏会始めは神奈川大学でした。ワインダークシーには行かねばと。あとBACHのノーカット版に丸谷先生の大阪俗謡に真島先生のマリンバコンチェルトにと豪華だぞと。ワインダークシーに関していえばもっとカリッカリな音でロックにした方がマッキー作品にはあってる気がしますが、これもまた神奈川的アプローチという感じで、なにせよ非常に満足できました。2018年は行けませんでした。バーンズ3番聞きたかった。また、神奈川大学定演に続けて真島先生追悼コンサートがあったようですが、そちらはおいとまさせていただきました。
ワインダークシーといえばぱんだが演奏してましたが、非常に行きたかったのですが(多分こっちのほうがワインダークシーっぽい音で鳴らすはず)、かなわず。CDにならないですかね……
ぱんだといえば、オーチャードブラス第二回!なんと、ぱんだを手兵にしていろんな指揮者が登壇するイベントなのかと思いきや、藤重先生が固定で楽団が変わってしまいました。そっちかよー逆じゃね?と思いました。選曲も、気になるは気になるけど第一回ほどコンセプトが打ち出されているわけでもなく、難しいなあと。仕事が忙しかったのもあり、行けず。残念です。第一回同様音源になると嬉しいですね。そういえば第一回の音源は演奏会ライブとは別にしっかり楽しめました。不覚にも遅刻したルイブルジョワも聴けました。
ぱんだは2月にバーンズ3番やりますね。オープニングが……パンダスティックじゃない……だと!?神奈川のバーンズ3番聴けなかったのでいこうかしら……
バーンズ3番は芸大ウインドのCDでも取り上げられてました。相変わらず素晴らしい演奏。しかし作品集としてはついつい前作の方がクオリティ高かったかなと思ってしまうのはなぜでしょう。次回作……もあれば大いに期待。
バーンズといえばShionとの定期で8番を初演してました。都合がつきませんでしたが、ついに8番まできましたか……是非9番までお願いしたいですね。できれば合唱付で。
そしてShionといえば!踊り大特集の回ですよ。なにわと並んで2017年インパクトの強い演奏会の一つでした。華麗なる舞曲、ダンスムーブメンツ、交響的舞曲。特に交響的舞曲は指揮者自身の選曲。Shionの華麗なる舞曲といえば飯森氏の伝説的アプローチが有名すぎるわけですが、今回はそれではない攻め方。テンポはじっくり目、かといって安全運転しっとり系ということはもちろんなく、ぐいぐいと音楽を推進しつつ、タイトル通りの「踊り」を描き出していく感じ。そうだ、Shionのリズム感は他の追随を許さずダンスとの相性は抜群なのだった。思わず体が動き出しそうになるほどダンサブルで、ああ、スミスはこれがやりたかったんかな、と目から鱗。ダンスムーブメンツはちょっとくたびれたのか、はー、この曲難しすぎるよwww という楽しみ方ができました。特に最終楽章の交錯するリズムのスリリングさたるや、病み付きですね。(ダンスムーブメンツはこんどオオサカンでもやるみたいですね)指揮者編の交響的舞曲は荒涼としたロシア音楽の世界が演奏会前半と見事なコントラストで、みっちりとした音楽を聴けました。息を止めて最後の音が消え入るのを見届けました。いい演奏会だ。冒頭のようなフライング拍手はありませんでした。Shion、2017年はこの時期には来期の定演シリーズの内容が出てた気がしますが、今年は出てないですね。でも京都定期が始まるということで楽しみです。行けたら行きたい。
Shionが京都定期を始めるのとは別に、TOKWOは大阪定期を初めて2017年で2回目。なんとこちらがシンフォニーホールにて「飯森版華麗なる舞曲」をやってしまったそうですw 聴ければよかったのですが、これも都合つかず行けず。惜しまれる。
TOKWOといえばシズオクワハラ氏のローマ特集に行きました。これも強烈な仕上がり。いやキルクス・マクシムス自体が強烈なわけですが、それ以外の二曲、新編曲のリュートと鈴木版ローマの松、どちらもよかったですね〜 リュートは伊藤康英先生で、編曲を手がけるいつものアプローチで実質「再作曲」状態。松は開幕の賑やかさ、カタコンブの重々しさ、ジャニコロのしっとり感にアッピアの圧倒的迫力、まあTOKWOもシズオ氏に導かれてなんと多彩な音をだすなあと。三曲とも堪能できました。
そして長生淳氏へ委嘱したピアノ協奏曲の回。めっちゃゲンダイな長生節でした。これは何度も聴き返して味わいつくしたいのだけど、音源化されなそう……な気はする……
そして海とダフクロのフランスプチ特集。海は新編曲だった……のかな、もっと前に押し出してもよかったのでは?プログラム読み返したいけどどっかいった……。ある意味ベタベタな二曲ですが、こてこての長生作品とちょうどいいバランスだった気がします。なにげにオリエント急行も生で聞くのは初で、さまざまな趣向が楽しかった。
静岡で行なわれた須川氏指揮の演奏会にも行きました。シナモンコンチェルトの吹き振り最高かよ。パガニーニロストは現代音楽振り慣れが必要な作品なのかなと思いました。どうしても大井氏xTOKWOの音源と比べてしまう。アルメニアンから始まりコンチェルトもあって結構重い内容かと思うんですが、ローマの松ではよくこんなに鳴るなあという鳴りっぷり。さすがです。地元のバンダ隊もよかった。須川さんの地元で、古巣TOKWOを手兵としての演奏会というのは非常にエポックではなかったかと思います。もっと席が埋まってもよかったのでは。
席が埋まっても〜という点では、「魂の語りかけ」の回もそうだったのではと思います。なにせ非常にコンセプチュアルなプログラムだし、メタモルフォーゼン新編曲に、この地球を神と崇める。やばすぎるでしょ。しかしこれも手痛い諸事情により鑑賞できず。多分一生ものの遺恨を残しました。特にメタモルフォーゼンは再演至難、こういうコンセプトの演奏会だったからこそ披露できた演目だったわけで……
結局聞けなかったくせに何を言うという感じですが、やはりこういう意欲的なプログラムで存在意義を問い続けるTOKWOは大好きです。もっとお金を落として行きたい。そしてこの回の音源化をお願いします……はぁ、行けなかったことを思い返してまた悲しくなってきた…… (0116追記 : 2/21に出るみたいですね!(しかし、この地球〜〜は一楽章だけ……?まじで……!?))
広島ウインドの保科交響曲個展、ミッドウェスト遠征や、ミュゼダールの長生淳第二番委嘱、コンクール選曲もトピックとして記しておきます。遠くから指をくわえて眺めていました。保科先生の2番はタッドウィンドでも演奏されましたね。あと広島ウィンドのミッドウェストではジェイガー一番も演奏されており、なにわとあわせてジェイガー一番人気やなーと。
他方、チケット当たった!行けてよかった!系の枠で2公演。
シンゴジラ対エヴァ演奏会と初音ミクシンフォニーに行ってきました。いわゆる演奏形態や音楽表現の意義性とかとは離れた、エンタテインメントな会で、そういう意味では本来ターゲットとする客層とは違うという居心地の悪さは多少感じつつも、やっぱり楽しいもんは楽しいということでいい時間を過ごしました。シンゴジ・エヴァの方は、なんといってもステージ上を埋め尽くす演奏者(オケ、合唱団、バンド、ソリスト、鷺巣先生)。圧巻。そして両作品の音楽をミックスした編曲。これは非常にスリリングでした。指揮の天野先生も大活躍。天野先生といえば還暦コンサートが全国で催されてましたね2017年。初音ミクシンフォニーの方も合唱を組み合わせての編曲が光ってました。あとは弦楽編成のピチカート演奏w ミニマルな作品をどう料理するかと思ったら、こうきたかと。大編成を使った作品の方はわりと構成など原曲に寄せ気味だったかと思うんですが、もっとオケの都合に合わせた表現や構成に変えるべきな気がします。……とか思うのが主要客層ではないめんどくさい客であって、基本的にはメイン客層の耳馴染みに合わせていくのがベストなんだろうなと思います。その意味でやはりピチカート攻撃は意義深く、ついでに客受けもよかったようなので、次回もそういうオケなりの制約を逆手に取った表現みたいなのは見てみたい気がします。今年はブルレイも出るんでしたっけ?買おうかどうしようか。

昨年初頭時点で気にしていたオオサカンのカルミナブラーナですが、結局行けませんでした。一方で、年末の龍谷大学には行けました。こちらのトリがカルミナブラーナ。合唱なしで半分くらいの長さになったクランス版。どの曲も粒立ちのいい音が気持ちいい龍谷ですが、若干質感が同じというか、全部筋肉質というか、そんな風に感じてしまったのはこちらが疲れてたせいでしょうか。Tbコンチェルトでもゲストを食ってる気がしたのは、これは席が悪かったせいかもしれません。反面やはりカルミナ・ブラーナ、特に締め「おお、運命の女神よ」のパワフルさは実にいい塩梅ではまっていたと思います。別に厳しい言葉を述べる必要はないのですが、龍谷が酒井先生のシリーズを離れハンガリー狂詩曲を選曲してた時と同じ感想を得ました。(あれから何年経ったんだ?と思いましたが、確認したらそんなに経ってなかった)

音源関連では、どれも上記で触れましたが、オーチャードブラス、なにわ最終回、芸大ウィンドが楽しかったですね。神奈川大学のワインダークシーももちろん(協奏曲は惜しくも収録されませんでしたが)。TOKWOはシェエラザードがありましたがまだ聴けてない……!ザノーニはしこたま聴いています。オーロラアウェイクスも非常にいいですが、リシルドも炎の詩もいい。正座して聴けます。なんと録音は2014とのことで、ついに円盤化がなされたと。理由は存じ上げませんが、感慨深いものがあります。
陸上自衛隊中央音楽隊の「役人」も、時を超えた全曲編曲版がついに、という意味では感慨深いですね。各パートトラック分けされている点も注目な気がします。ただ、演奏自体はさらっとした印象ではありますが。もっとねちっこくごりごりしててくれたら嬉しかった。2015年のTOKWOの演奏会、音源化されないかな。
天野先生還暦記念でCDやBDが出てますね。カタカナタイトルえぐいw や、曲名から天野節という感じでファン的には嬉しいです。グラールの最終楽章、どこかが出版しないかしら。グラールはコンクールで選曲されてBDにも収録されましたね。まだ聴いてない。変わったところでは劇版作曲でヒットをとばしまくる菅野祐悟さんの交響曲第1番も出ました。さすがメロディーメーカー、親しみやすさが滲みます。あとはここに世紀末叙情主義的なオレオレ感が乗ってきたらと思うと、第二番も楽しみです(世紀末叙情主義に連なってほしいという意味ではなくて。あれは吉松先生の一人会派なので)。
他に、いろいろあって過去音源を集中的に買ってました。TOKWOxボストックの宇宙の音楽とか、メイエのボレロとか、買ってなかったなにわとかそのあたりを。マスターズブラスナゴヤも。

最後に、さる作品の二期の劇場版がありました。3回くらい行きましたが、去年の劇場版よりこちらも肩肘張らずに観れました。肩肘張ってたらちゃんと上映終了まで毎週を達成していたと思います。一体どういう心境の変化でしょうか。ファンタジー要素が強くなったからでしょうか。はたまた憑き物が浄化されたからでしょうか。この春には新作劇場版があるとかで、さらに小説も続編が展開中で、目が話せないですね(??)

今年は意外と去年のいまごろほど行きたい演奏会がない……と思ってましたが、眺めてみると結構ありますね。
さて、総括するときには果たしていくつ「都合がつかず行けず」とか抜かしているでしょうか。覚悟が試されるであります。

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